投資を始める最適なタイミング

投資を始める最適なタイミング

目次

Ⅰ.投資に最適なタイミングなど無い!?

Ⅱ.よしやろう!と思い立った時がタイミング

Ⅲ.投資を始められないハードル

Ⅳ.それでもタイミングを計りたいあなたへ

Ⅰ.投資に最適なタイミングなど無い!?

 「投資を始めようと思うんだけど、最適なタイミングはいつかな?」と聞かれることが増えてきました。資産運用が必要不可欠という考えが浸透してきたからか、周りが資産形成に興味を持つ年代になっただけか。前者だと思いたいところですが、この質問が最近著しく増えたことは事実です。さらに2021年2月15日の日経平均終値ベースで30,084円と30年半ぶりの高値をつけたので、より多くの方に聞かれる可能性があると思い、記事にしました。

 この質問への回答は、「良いタイミングなんてわからないよ」です。この回答の本意は、「最適なタイミングなど無い」ということです。実際に答えると、「そうだよね、わかったら苦労しないよね」という言葉が返ってきますが、表情からは少しがっかりしている様子が伺えます。

 ただ、これで終わってしまっては、私が目指している投資啓蒙になりませんので、「何のために投資を始めたいの?老後の生活資金を確保したいから?それとも大金持ちになりたいから?」と聞くと、大体が、「将来不安だからかな」や、「あんまり考えてないけど、やった方がいいのかなと思って」という答えです。言い換えると、「現実的な範囲でお金を増やしたい」ということだと思います。そしてこの裏側には「絶対に損したくないけど」という意が含まれている気がします。

 ここまで聞いた上で、最初の質問「投資を始めようと思うんだけど、最適なタイミングはいつかな?」に対して、私は「今すぐかな」と答えています。金融機関に勤めていた時であれば、金融商品を販売するのが仕事でしたので、買って欲しいバイアスがかかって言っていると客観的に捉えることもできますが、今はマーケットを俯瞰して見ることができる立場にあるので、第三者目線で「今すぐかな」と思っています。

 カリスマ投資家で、レオス・キャピタルワークスの創業者である藤野英人さんも、「投資するタイミングを追い求めてはダメなんです。というのは、投資で難しいことはタイミングを見て売り買いすることなんです。実際にコロナでこんなに株高になるって思った人は、プロでもそんなにいなかったんですね。だから、「今がタイミングですか?」っていう質問をしている限り、なかなか投資って儲けることができない。投資はタイミングでするものではない。」とこちらの記事で仰っています。

 藤野英人さんの著書は本当に勉強になりますので、興味がある方は手に取ってみて下さい。

Ⅱ.よしやろう!と思い立った時がタイミング

 話が少しそれてしまいましたが、「今すぐかな」というのは、「よしやろう!と思い立った時がタイミング」ということです。

 理由は二つあり、一つ目は、投資を始めるには、様々なハードルがあり、結構なバイタリティーが必要だからです。「投資の始め方」という記事でも述べていますが、投資を始めようという意思を行動に移せている人は、私の感覚では10人に1人です。

 二つ目は、早く始めた方が得しやすいからです。もちろん、今日始めて明日下がったら損をしていますし、それが1年後でも下がっている可能性はありますので、全く責任は持てませんが、金融商品の仕組み上、基本的には早く始めて、長く持てる猶予がある方が得しやすいです。株式投資は企業が利益を出すために必要な資金を集めるために企業が発行した株式に投資をするものですから、成長が前提にあるという話を、「米国株式インデックス投資万能論にモノ申す!?」の記事でも書きましたが、株式でなくて、債券でも同じですし、投資というものにおいては、早く始めて、長く持てる猶予を持つというのが基本だと思っています。

Ⅲ.投資を始められないハードル

 なぜなかなか投資を始めることができないのか、そこをもう少し深掘りして、原因を理解していただきたいと思います。

 投資を始められないハードルは、大きく二つのフェーズに跨っています。一つ目のハードルは、投資ができる環境設定です。いわゆる、金融機関での口座開設等の手続き関連です。そちらについては、「投資の始め方」の記事をご参照ください。

 二つ目のハードルは、実際にいざ買おうと思った時の「損したくない」ハードルです。一つ目のハードルは、誰でもぶつかる壁なのですが、二つ目の「損したくない」ハードルは、あっさり飛び越えてしまう人もいますが、止まる人は長い間止まってしまいます。前者の方は、まずはやってみないとと考える方で、後者の方は、ベストや完璧を求めてしまう方に多いです。

 ハードルの越え方は人それぞれですが、ハードルを低くするために3つ伝えたいと思います。

①いくら損したくないと思っても、誰でもいつかは損した気分になる時がくる

②買ったら得をするか損をするかわからないが、買わなければ確実に損をする

③ほとんどの商品は、ゼロになることはない

 ①については、金融商品を購入して、市場に参加したら、必ず損した気分になることがあります。しかも一度や二度ではなく、数えきれないほどあります。ほとんどの方が実際に損失計上しますし、早めに利益確定してしまい、もっと利益をとれたのにと思うこともあります。だったら、早めに経験しておいてしまいましょうということです。

 ②については、株式市場が企業活動の成長を前提としていること、債券という商品の仕組み、長い歴史の中で物価は着実に上昇していることなどを考えると、現金でしか持っていない状態は、想定的に損しているのです。株式や債券が右肩上がりを前提にしているのであれば、その差は開く一方です。額面上は変わらないかもしれませんが、知らない間に損をしているのは嫌ですよね。

 ③については、株式であれば最悪がゼロ、投資信託であればゼロになることすらなりません。ただし、証拠金取引などは注意が必要です。

以上、少しはハードルが下がりましたでしょうか。

Ⅳ.それでもタイミングを計りたいあなたへ

 まずはやってみないとわからないということは、頭ではわかっている、でもやっぱりタイミングを計りたいという方は、ずばり負けにくい箇所で仕込みましょう。今から述べることは、あくまで一般的な情報提供として捉えて頂き、自己判断でお願い致します。

 負けにくい箇所とは、上昇トレンド中に15日移動平均線付近まで下落した後の反発した日です。2021年2月16日現在のおける直近では、図のような箇所です。

 理由は、「上昇トレンドの継続が確認できた可能性が高い」からです。トレンド中に恐れることは一つ、「トレンドの転換」です。移動平均線付近で持ち直してくれたり、移動平均線を割り込んだとしても、再び突き抜けてくれたりすれば、トレンドの継続と市場は捉えることが多いです。したがって、そこで仕込めば流れに乗ることができて、負ける可能性を少しは低くできると思います。

※上記は全て一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期すために尽力しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

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